【Gen X Soft Club 】SNSで話題のインターネット美学、Gen X Soft Clubとは?解説・まとめ

Mimineko12
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インターネット美学、Gen X Soft Club について必要な情報を簡潔にまとめたページです。

Gen X Soft Clubとは?

Gen X Soft Clubとは、1990s後期~2000s初期に広まったアートスタイルです。落ち着いた色味やミニマルなファッションが特徴です

地下鉄や空港、高層ビル、車といった無機質な都市生活のモチーフを中心としながら、近未来的な雰囲気を漂わせます。

“Gen-X “はその時代の中心にいたX世代を意味し、”Soft Club “は、クラブカルチャーの都会的なイメージを指します。消費者美学研究所(CARI)のSloane Angel Hilton によって、名付けられました。

GXSCと略されることもあります。

画像引用元:Nine Days – The Madding Crowd(2000) https://www.discogs.com/release/690938-Nine-Days-The-Madding-Crowd

2014 Tumblrのビジュアル

Y2K FuturismがSF的で空想的な未来像を描くのに対し、Gen X Soft Clubはテクノロジーの進化を受け入れつつも、ミニマルで動きやすいファッションや、車や地下鉄といった要素取り入れており、より生活に根差した現実的な未来主義を表現していると考えられます。

画像の加工には、銀残し(色の鮮やかさを抑え、コントラストを強調する)や、モーションブラー(動いている被写体を撮影したときに生じるブレ)、ぼかしといった効果がよく使われています。

また、よく地下鉄、駅構内、空港、車、高層ビルといった都会の生活に関連するモチーフがよく使われているのが特徴です。

画像引用元:Syncopix – Travellin’ Man / 8-Bit Blues (2005)https://www.discogs.com/master/15739-Syncopix-Travellin-Man-8-Bit-Blues

カラーパレット

GXSCをイメージした配色のカラーパレットを作ってみました。

中~高明度、低~中彩度で、青や緑、ベージュっぽい色がよく使われています。

ファッション

落ち着いたミニマルなファッションが特徴です。例えば、ヌードリップ、シルバー系のシャドウ、自然な髪型、ニーハイ ブーツ、黒や白のワンピースやシンプルなトップスがよく見られます。

日常的で現実的なファッションでありつつも、洗練されていて都会的なイメージがあります。

画像引用元:Grace – You’re Not Mine / Down To Earth(1997) https://www.discogs.com/release/181473-Grace-Youre-Not-Mine-Down-To-Earthh

GXSCと音楽

GXSCは主に視覚的な美学であり音楽ジャンルではありませんが、アルバムのジャケットやミュージック ビデオに取り入れられることで音楽と密接に結びついていました。

Downtempo、Trip-Hop、オルタナティブロックといった音楽ジャンルに関連付けられることが多いです。

GXSCのMVプレイリスト

GXSCの美学を取り入れているMVを集めたプレイリストです。

車の横行低彩度の青みがかった映像や、ミニマルなファッションが多く見られます。

Spotifyのプレイリスト

ジャンルではなく、アルバムのジャケ写でGXSCリバイバルをしているアーティストを集めたプレイリストです。音楽的特徴は様々ですが、シューゲイザーやソフトロックなど、ちょっと懐かしくて、やさしめの耳に良いサウンドが多いことは共通しています。

GXSCに関連する映画

GXSCの美学を楽しめる映画をご紹介します。

映画

ガタカ(1992)

SF映画ではありますが、大げさなファンタジー要素が少なく、オフィスの無機質さや広々とした建築が特徴的で、地に足の着いた近未来といった感じがGXSCの美学と共通しています。

映画で使われる色味や効果もGXSC的です。

恋する惑星 (1994)

モーションブラーが多用され、青や緑の色彩が印象的に映える映画です。空港や都市の風景が描かれつつも、『ガタカ』の洗練された未来的な雰囲気とは対照的に、より荒々しく、人間の息遣いが感じられます。

  • 天使の涙 (1995)
  • トレインスポッティング (1996)
  • ノーウェア (1997)
  • 恋人たちの予感 (1997)
  • ラン・ローラ・ラン (1998)
  • スライディング・ドア (1998)
  • ワンダーランド (1999)
  • ビーチ (2000)
  • ブエノスアイレス (1999)
  • コード・アンノウン (2000)
  • レクイエム・フォー・ア・ドリーム (2000)
  • A.I. (2001)
  • バニラ・スカイ (2001)
  • ドニー・ダーコ (2001)
  • ミレニアム・マンボ (2001)
  • L.I.E. (2001)
  • ストーカー (2002)
  • バイオハザード (2002)
  • 仄暗い水の底から (2002)
  • 終わりと始まりの4日間 (2004)

GXSC が広まった背景

GXSCのスタイルは、1990年代中期から後半にかけての経済回復とテクノロジー産業の発展を背景に生まれました。Y2KフューチャリズムやMcBlingのカラフルで楽観的なスタイルとは対照的に、洗練された落ち着いた雰囲気を持ち、一部ではこうした派手な美学に対する反動とも捉えられています。

近年、CARI(消費者美学研究所)のSloane Angel Hiltonによってこのスタイルが、「Gen X Soft Club」と名付けられました。明確な命名の時期は不明ですが、Gen X Soft Club公式Xアカウントが2020年5月に開設されています。

引用元:Gen X Soft Club公式Xアカウント

近年、この美学はY2K FuturismやMcBlingとは異なるクールな魅力が評価され、リバイバルの動きを見せています。

例えば、beabadoobeeDua LipaがアルバムのアートワークにGXSCの要素を取り入れているほか、CFCF、DossといったアーティストもGXSCを意識したアートワークを用いています。(次章参照)

GXSCに関連するインターネット美学

Y2K Futurism

GXSCと同時期に見られた美学であり、GXSCと同じように近未来を描いていますが、より大げさなSF感のある美学です。詳しくは以下の記事でまとめていますので、よろしかったら覗いてみてくださいね。

GXSCのリバイバル

2020年代から、GXSCの美学はリバイバルの動きを見せています。以下、2020年代のポップカルチャーでGXSCの美学を取り入れた例をご紹介します。

RIIZE-Impossible

KpopグループのRIIZEが2024年にリリースしたImpossibleのMVです。都市の無機質な建築や地下鉄が出てくる点、黄色や青、ベージュなどのクールな色調が使われている点がまさにGXSCの美学です。

アルバムジャケット

カナダ出身のアーテイスト、CFCFが2021年にリリースした「Memoryland」のアルバムカバーがGXSC的です。ドラム&ベースやシューゲイザーの曲調も、どこか懐かしい感じがします。

beabadoobeeDua LipaもアルバムジャケットにGXSCを取り入れています。

画像引用元:beabadoobee – Our Extended Play (2021) https://www.discogs.com/ja/master/2316448-beabadoobee-Our-Extended-Play
画像引用元:Dua Lipa – Houdini (2023) https://www.discogs.com/ja/master/3306523-Dua-Lipa-Houdini

出典

Gen X Soft Club
Gen X Soft Club was a popular aesthetic in the late-1990s and early-2000s, branching from the popular Y2K Futurism aesth...
CARI | Aesthetic | Gen X Soft Club
Gen-Z Soft Club (revival of Gen-X Soft Club) | Are.na
Almost all items here are sourced from various researchers on our CARI Discord team (credits to be added)

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