このサイトについて
・当ブログ「美学の海」では、海外トレンド「インターネット美学(Internet Aesthetics)」をまとめていきます。Aesthetics Wikiのように、様々な美学を図鑑のようにまとめていく予定です。
・他にも、海外のTiktokトレンド、スラング、ミームの解説など、海外では流行しているけれど、なかなか日本語では情報が見つからない…そんな海外カルチャーの情報も同時に発信していきたいと思います。
「インターネット美学」とは?
「インターネット美学(Internet Aesthetics)」とは、ファッションや音楽、画像などの視覚芸術を通して一つの世界観が構築され、その世界観が「美学(Aesthetic)」として、SNSを通じて共有される現象を指します。
例えば、美学の例として「フルティガーエアロ(Frutiger aero)」や「ドリームコア(Dreamcore)」といった言葉は聞いたことがあるかもしれません。
こうした美学の多くは、過去の文化へのノスタルジーを反映しているものが多いのが特徴です。
日本語で置き換えるならば、「界隈」や「サブカルチャー」が一番近いでしょうか。それにノスタルジックな気持ちが加わった感じです。
言葉だけで説明されても分かりにくいと思うので、実際に例としてFrutiger Aeroという美学を覗いてみましょう。
美学の一例
Frutiger Aero(フルティガー エアロ)
Frutiger Aeroは、2004年から2013年にかけて流行したデザインスタイルで、スキューモーフィズム(立体感や質感を実際のモチーフに似せて親しみやすくするデザイン)や、光沢のあるテクスチャを特徴としています。
また、雲や空、水、植物などの要素が盛り込まれ、無機質なデジタルの世界に自然の要素を取り入れていることが特徴です。
元々この現象に対して、当時は名前がありませんでしたが、2017年にConsumer Aesthetics Research Institute(消費者美学研究所)のメンバーであるSofi Leeが「Frutiger Aero」という名称を与え、2022年ごろから徐々にトレンドになりました。
Frutiger Aeroのデザインには、現在のZ世代の若者たちが幼少期や10代の頃に親しんでいたNintendo DSやWiiのミニマルなスタイルも含まれます。
この懐かしさは、DSやWiiで流れていた、アンビエントでリラックス効果のあるゲーム音楽を連想させ、これらの音楽もFrutiger Aeroとしてジャンル化されています。
実際、YouTubeにはいくつかのFrutiger Aeroのプレイリストが作成されているのでぜひ聞いてみてください。
インターネット美学にどこか懐かしさが付き物である理由は、美学トレンドを広めている若者が、幼少期に親しんだ文化、もしくは自分が存在していなかった時代に対してもノスタルジーを感じ、その影響で昔の文化を見直し新たに再構築しているからだと思います。
インターネット美学は、過ぎ去った過去の文化に対する再評価が核であり、また、画像や音楽をSNSでシェアすることが日常的であったり、動画編集が簡単にできるデジタルな時代だからこそ起こったトレンドだと筆者は考えております。
ちなみに、「インターネット美学」という言葉は「Internet Aesthetics」の直訳であり、日本ではまだ浸透していない言葉です。この現象に対する直接的な言葉が見当たらなかったため、当サイトでは「インターネット美学」で統一していこうと考えております。
さて、なぜこの現象が「Internet Aesthetics」と呼ばれるかというと、
RedditやDiscordなどのプラットフォームや、TiktokやInstagramなどのSNS、つまりInternet(インターネット)で画像や意見が活発に共有され、Aesthetic(美学)のコミュニティが拡大していくからです。下のRedditの投稿では、日本のSeriaが、Frutiger Aero的だと話題になっています。
このように、インターネット美学とは、デザインや音楽、建築など、総合的な視覚芸術を通して一つの美学として分類され、インターネットを通じて共有される現象を指します。また、そこには過去の文化に対するノスタルジックな気持ちも反映されていることが特徴です。
日本ではまだ解説や分析が少ないため、当ブログを通じて皆さんに、様々な美学をご紹介し、楽しんでいけたらな、と思っております。
インターネット美学の記事はこちら
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